6月16日は、縄文編布の研究者・尾関清子さんの講演会とワークショップを開催しました。大勢の方にご参加いただきありがとうございました。講演は15pに渡る資料と圧倒的なトーク。何時間でも聞いていられるようなお話で、あっと言う間の90分でした。
尾関先生の考古学者としてのキャリアは50歳ごろに遡るそう。人形製作→髪型の研究→櫛の研究→土偶の頭部に注目→土偶の衣服という流れから、次第に縄文編布への研究に没頭されたそうです。編布(あんぎん)は素材が麻なので、数点を除き現存しません。ただ土器に残された圧痕は800点以上あるので、そのひとつひとつを仔細に眺め、実際に編み直す作業を続けてこられたわけです。その作業量は膨大で、時間や労力は尋常ではなかったはず。そのわりには飄々とした軽妙なトークで、ときにユーモアを交えながらのお話はまったく時間を感じさせません。
さて午後はワークショップです。この時間を楽しみに来られた方も多かったのではないでしょうか。まずは大きなロープを用いて、わかりやすく解説します。
写真は横棒に10本のロープを吊り下げています。写真上部のように通して下げるので、合計20本のロープを編み込んで行きます。横糸は分かりやすくするために、赤と黄色の2色になっています。いわゆる横編み法です。まずは1列完成。この1本ずつの編み込みが縄文編布の作法。
2列目は応用編布と名付けられた、2本ずつの編み込みです。写真では分かりにくいのですが編み目が全く違ってきます。そばで見ないと分かりにくいので、人だかりができています。先生のテンポはとても速く容赦ないので(!)見て覚えるしかありません。
さてこれを参考にし、縦に麻糸、横に綿糸という組み合わせで、机の上で作業をしていきます。とにかくみなさん夢中です。
テーブルにハンガー状の針金をガムテープで貼り付け、そこに縦糸を垂らします。ここまではすぐにできます。
写真手前の方は、黄色の縦糸に緑の横糸を編み込んでいます。これがなかなか進みません。先生がひとりひとり回って解説や補足をしていきます。
約10cm×10cmほどのコースターが完成しました。
なお、ロープと糸による実演の動画を下記にアップしました。この横編み法は、コツさえ覚えれば子どもでもできるシンプルなものです。また道具はほぼ不要なので、ぜひ気軽に試してみてください。
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